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事例報告4
当社の仕事にアウトリーチという営業活動があります。 アウトリーチという言葉は普段生活している中では絶対に耳にしない言葉ですし、入社するまでこの言葉を知りませんでした。 アウトリーチとは簡単に言えば「マンション入居への勧誘」です。
ただ、この営業活動が一般の会社などで行なわれるものと大きく違うのは、対象者が働いている人(お金を持っている人)ではなく、ホームレスの人に行なうという点です。
実際にはじめてアウトリーチを行なう時は、自分自身大きな不安がありました。例えば、いきなり怒鳴られたり、誹謗中傷を浴びせ掛けられたりしないだろうか。 また、暴力をふるわれたりしないだろうかなどです。しかし、実際にアウトリーチを行ない、その不安は杞憂であったことに気づきました。 アウトリーチを行ない、ホームレスの人も私達と同じ人間であるという当たり前の事に気づきました。 ただ、生き方や境遇やそのときの巡り合わせでたまたまホームレスになっているだけに過ぎないのです。 言い換えれば、自分の親や兄弟、友達がたまたま、なにかの不幸に見舞われて、住む場所がなくなったといった感じでしょうか。
世間では一般的にホームレス=落伍者みたいに思われている風潮があります。事実、私も同じような認識をしていました。 しかし、アウトリーチを通して実際に、ホームレスの人と会話を交わす中でホームレスと呼ばれている人の中にもきちんと就労意欲がありながら、 働く場所がなくて困っている人がいるということを知りました。
当社のビジネスはホームレスなどの生活困窮者に対して、住む場所を提供し、生活保護の申請をして、少しでも良い生活をしてもらうお手伝いをするところから始まります。 文章で書くとものすごく簡単なように思えますが、実際、申請するにあたっては様々なルールが存在します。 例えば生活保護は憲法によって「人として生活するための必要最低限なお金を国が負担する」というものです。 これだと生活困窮者は何歳でも生活保護を受けれる事になりますが、実際は大阪市では生活保護の申請は65歳以上からしか受け付けてもらえません。 また、65歳以上であっても住む場所がなかったら生活保護の申請は通りません。これでは一度ホームレスに陥ってしまうとそこから脱出することは不可能になってしまいます。 そこで当社のビジネスが活用されるわけですが。
実際にアウトリーチを行なうと65歳以上のホームレスの方より、その年齢を下回る人に声をかける回数の方が圧倒的に多いです。 そんな時、その人たちになにもできない自分の力のなさに腹立たしいやら、情けないやらでとても複雑な気持ちになります。 しかし、そのように声をかけた方々から「兄ちゃん、救える人から救ってったらいいんや」という言葉や 「俺の周りで65歳以上の人おったと思うから言っとくわ」などといった言葉には自分自身、励まされ救われる思いがしました。 また、「まだ、若いし働きたいから頑張るわ」と笑顔でいってくれた人もいます。もちろん、こんないいことばかりを言ってくれる人ばかりではないですが、 ホームレスという言葉だけに惑わされていた自分は考えを改めることのできるいい機会でした。
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