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メディア 〜マスコミに紹介されました〜

2000年9月18日の(月)の東京新聞
2000年9月18日の(月)の東京新聞記事 ◆揺れるナニワのホームレス
オリンピック招致の思惑も絡み、公園のホームレスを囲い込もうとする大阪市に対し、同市西成区のあいりん地区では簡易宿泊所を「福祉マンション」に改装し、 野宿者の自立支援を進める民間の運動が広がっている。(立尾良二)
◆アッという間に満室
ことし六月に福祉マンション第一号「アプリシェイト」をオープンしたのは、日雇い労働者の街・あいりん地区で簡易宿泊所を三軒経営する山田和英社長(43)。 うち一軒を約2千万円かけてワンルームマンションに改装し、入居者を募集したところ、アッという間に全百二十室が野宿出身者で埋まった。
山田さんは、明治時代から工場や港湾、建設労働者でにぎわうあいりん地区で簡易宿泊所を営んできた家系の四代目。 かつて日本の高度成長を支えた顔見知りの労働者達が、高齢化とともに職を失い、野宿する姿を見て「顔を合わせるのもつらかった」と言う。
◆公園から安眠のマンションへ
「簡易宿泊所をマンションにすれば、野宿者は自宅を手に入れ、生活保護を申請できる。保護費が支給されらば、その中から家賃を支払ってもらう。 野宿者は安定した生活から自立を目指すことができ、不況の中で宿泊所経営も立て直せるのではないか」
「アプリシェイト」は六階建てで。一部屋の広さは三畳だが、改装の際に一階の廊下には手すりをつけ、共同浴室の段差もなくしてバリアフリーを試みた。 また、三部屋の壁を取り払い、入居者が共同利用する約十畳のリビングも設けた。入居者のうち九十七人が六十五歳以上の高齢者で、大半が野宿生活をしてきた人たちだ。
スタッフらが生活保護申請を手伝い、2週間程度で一人約十二万円の保護費受給に成功した。
入居者は、そのうち約四万円を家賃として支払っている。
山田さんは「高齢者を対象にした顧客開発にすぎない」と謙そんしながらも「うちの簡易宿泊所は稼働率役八、九割でそんなに悪くなかった。 福祉マンションはゼロからの出発であり、リスクも大きいが、野宿生活者が増える中、昔からうちを利用してくれた客に恩返ししたい」と話す。
◆あいりん・簡易宿泊所改装『生活保護』で自立後押し
「危険な野宿こりごり」
また、大阪市が野宿者を収容する保護施設について「狭い二段ベッドの部屋に何十人も詰め込む」と話し、 「自立支援策や行事も強制的で、人付き合いのへたな野宿者はついていけない。彼らは組織労働、サラリーマン生活になじめなかった人ばかりだから、 そこに配慮すべきだ」と苦言を呈する。「福祉マンションでは、入居者が必要な時だけスタッフが近寄り、つかず離れずをモットーにしている。 ここは施設ではないのだから」
大坂市内の駐車場に数年間野宿していたという入居女性(62)は「やっと落ち着いて寝られるようになった。それだけでも本当にありがたい」と言う。 七十代の入居男性は「個室なので安心していびきをかける。もう危険な野宿はこりごり」と明るい表情で、近く催される幼稚園児との交流会に向けて折り紙をしていた。
◆”次”へのステップに・・・
山田さんは、入居者について「公園生活をそのままここへ持ってきてほしい。少しずつ風体がきれいになり、 友だちができて地域の老人として社会になじめば、ここを卒業してアパートに住める。 長年、日本の底辺を支えてきた人たちです。ゆっくりと、ここを通過してほしい」。山田さんの試みに賛同し、 別の簡易宿泊所経営者二人が今、福祉マンションに改装する準備を進めている。

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